業界別 熱中症対策ガイド

物流・運送業の熱中症対策

車内高温・積み下ろし・倉庫作業。移動する現場でドライバーと作業員の命を守る。

70℃超
真夏の車内
ダッシュボード温度
単独
ドライバーは
1人で作業
15%
運送業の
熱中症死傷割合

1.物流・運送業の熱中症リスク

物流・運送業は、ドライバーの長距離単独運転、荷物の積み下ろし作業、倉庫内での仕分け作業など複数の高温環境を1日の中で行き来することが特徴です。作業場所が固定されないため、対策が手薄になりがちです。

物流・運送業で熱中症が起きやすい場面

  • 車内の急激な温度上昇:エンジン停止後の車内温度は10分で50℃に達します。仮眠中や休憩中の熱中症が多発
  • 積み下ろし作業:納品先での手荷役は短時間でも高強度の筋肉労働。炎天下の駐車場での作業は特に危険
  • 倉庫内の蓄熱:空調のない倉庫は屋根からの輻射熱で外気温より高温に。フォークリフト作業は排気熱も加わる
  • 単独作業:長距離ドライバーは体調不良を訴える相手がいない。異変の発見が遅れ重症化しやすい
  • 配送スケジュールの圧力:納品時間に追われ、休憩・水分補給を後回しにしがち
約200件
運送業の年間
熱中症休業災害
50℃
停車中の車内
最高温度
単独作業
発見遅れによる
重症化リスク

2.過去の労災事例から学ぶ

事例1 宅配ドライバー

配達中の意識喪失

真夏日の午後、宅配ドライバーが配達先のマンション階段を上った直後に意識を失い倒れた。午前中から水分補給がほとんどなく、車内と屋外を繰り返し行き来する中で脱水が進行していた。

教訓:配達ルートの中に水分補給タイミングを組み込む。車内に保冷ボックスで飲料水を常備。

事例2 長距離トラックドライバー

仮眠中の車内熱中症

高速道路のサービスエリアでエンジンを切って仮眠していたトラックドライバーが熱中症で死亡。窓を少し開けていたが、閉め切ったキャブ内温度は急上昇していた。

教訓:夏場の仮眠はエンジンをかけてエアコン使用、またはサービスエリアの休憩施設を利用。アイドリング制限がある場合は車外の涼しい場所で。

事例3 物流倉庫

倉庫内ピッキング作業中の集団発症

空調のない大型倉庫で夏場の繁忙期にピッキング作業に従事していたパート従業員が3名相次いで体調不良に。屋根からの輻射熱で倉庫内は外気温より5℃以上高かった。

教訓:大型倉庫は局所冷却とWBGT監視が不可欠。繁忙期こそ休憩の確保を。

3.業界ガイドラインと法的義務

物流・運送業の法的義務

1
運行管理者の役割

出発前の点呼で乗務員の健康状態を確認。猛暑日は特に体調確認を厳格に実施する義務

2
労働安全衛生法に基づくWBGT管理

倉庫・荷捌き場のWBGT値の把握と、基準値超過時の作業管理

3
2024年問題と安全管理

残業規制強化でドライバーの労務管理が厳格化。熱中症対策の記録も安全管理の一環

4.対策チェックリスト

ドライバー向け対策
  • 保冷ボックスに飲料水(2L以上)を携行
  • 2時間ごとに15分の休憩をルート計画に組み込む
  • 仮眠時はエアコン使用、エンジン停止時は車外の涼しい場所で
  • 体調異変を感じたら即座に車を安全な場所に停め、運行管理者に連絡
  • 冷感タオル・塩飴を常備
倉庫・積み下ろし対策
  • 大型送風機・ミスト扇風機を荷捌き場に設置
  • WBGT計で倉庫内温度を定期監視
  • 手荷役作業は2人以上で実施し、互いの体調を監視
  • 繁忙期は作業シフトを分散し、午後のピーク時間を避ける

5.WBGTを活用した配送管理

物流業では配送先ごとにWBGT環境が変わります。倉庫内、屋外駐車場、配送先のホームなど、1日の中で複数の熱環境を移動することを考慮した管理が必要です。

場面 想定WBGT 対策
倉庫内(空調なし) 30〜35℃ 大型送風機設置、15分毎の水分補給
屋外積み下ろし 28〜33℃ 日よけテント設置、2人作業体制
車内(エアコンON) 20〜25℃ 水分補給継続、急な温度変化に注意
車内(エアコンOFF) 35℃超 10分以上のエンジン停止は危険。車外退避

配送先のWBGT予報を確認

6.heat119で物流の安全を守る

ドライバーの遠隔見守り

単独で働くドライバーの体調をスマホで遠隔監視。異変時は運行管理者に即座通知。

配送先別WBGT情報

配送ルート上の各地点のWBGT予報を確認。高温時間帯を避けた配送計画を支援。

点呼時の体調記録

出発前・帰着時の体調チェックをデジタルで記録。運行管理の法的義務をカバー。

安全管理記録

2024年問題対応の安全管理記録を自動保存。監査対応もスムーズに。

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