業界別 熱中症対策ガイド

農業の熱中症対策

直射日光・単独作業・ハウス内超高温。高齢農業者が多い農業現場で命を守る。

70%超
農業従事者の
高齢者比率
単独
農作業は
1人が多い
50℃超
ビニールハウス
内の最高温度

1.農業の熱中症リスク

農業は熱中症による死亡者数が全産業の中で最も多い業種の一つです。田植え・収穫・除草などの屋外作業は直射日光にさらされ続け、ビニールハウス内では外気温をはるかに上回る超高温になります。さらに単独作業が基本のため、異変があっても発見が遅れるという深刻なリスクがあります。

農業で熱中症が起きやすい場面

  • 直射日光下の長時間作業:田植え・収穫・除草は炎天下で数時間続く重労働。日陰のない農地では体温が急上昇します
  • 単独作業による発見の遅れ:農作業は1人で行うことが多く、倒れても発見されるまでに時間がかかり、重症化しやすい
  • 高齢農業者の体温調節機能低下:農業従事者の高齢者比率は70%を超えます。加齢とともに暑さを感じにくくなり、危険なレベルまで気づかないことがある
  • ビニールハウス内の超高温:夏場のハウス内は50℃を超えることも珍しくない。換気が不十分だと短時間で危険な状態に
  • 農繁期に休みを取りにくい文化:収穫期は天候や市場に合わせた作業が優先され、休憩・水分補給が後回しになりがち
約30件
農業の年間
熱中症死亡者数
70%超
農業従事者の
高齢者比率
50℃超
ハウス内の
最高温度

2.過去の労災事例から学ぶ

事例1 高齢農業者・田植え作業

田植え作業中の死亡事故(単独作業で発見遅れ)

真夏日の午前中、70代の農業者が1人で田植え作業を行っていた。昼過ぎになっても戻らないため家族が田んぼを確認したところ、農道脇で倒れているのを発見。搬送時にはすでに意識不明の状態で、熱中症による死亡が確認された。水分補給の形跡がなく、帽子も着用していなかった。

教訓:高齢農業者の単独作業時は定期的な安否確認ルールを設ける。スマートフォンで家族に定期連絡するか、見守りシステムを活用する。

事例2 ビニールハウス内・トマト収穫

ビニールハウス内でのトマト収穫中の熱中症

農業法人のパート従業員がビニールハウス内でトマトの収穫作業中に突然意識を失い倒れた。ハウス内は換気扇が1台のみで気温は48℃を計測。被災者は「もう少しで終わる」と休憩を先延ばしにしていた。重症熱中症と診断され、数週間の入院を要した。

教訓:ハウス内作業は30分を超えない短時間交代制にし、換気と遮光カーテンを徹底する。作業前にハウス内温度を確認し、50℃近い場合は早朝・夕方に作業時間を変更する。

事例3 炎天下・除草作業

炎天下での除草作業中の発症(水分不足)

60代の農業者が自家農場の畑で除草作業を行っていた。出発時に水を持参せず、「すぐ終わる」と思い込んでいたが、作業が長引き3時間以上炎天下に。頭痛とめまいを感じ農機具小屋で休んだが症状が悪化。救急搬送され熱中症(熱射病)と診断された。

教訓:農作業前に必ず飲料水(1時間あたり500ml目安)を準備する。「少しの作業」という油断が命取りになる。作業場所に近い日陰の休憩場所を確保しておく。

3.業界ガイドラインと法的義務

農業に関わるガイドラインと制度

1
農林水産省「農作業安全のための指針」

農林水産省は農作業安全に関する情報を提供し、熱中症対策として「農作業前・中・後の水分補給」「作業時間の工夫」「健康状態の確認」を推奨しています

2
JA全中の熱中症予防キャンペーン

JA(農業協同組合)では毎年夏季に熱中症予防キャンペーンを実施。組合員向けに啓発資料の配布やセミナーを開催しています

3
労災保険の特別加入制度

自営農業者は通常の労災保険の対象外ですが、特別加入制度を利用することで農作業中の熱中症も補償対象になります。JA・労働保険事務組合を通じて加入できます

4
雇用農業者に対する労働安全衛生法の義務

農業法人や農家が労働者を雇用する場合は、労働安全衛生法に基づくWBGT管理・健康診断の実施・安全教育が義務付けられています

4.対策チェックリスト

屋外作業(露地農業)向け対策
  • つばの広い帽子(農業用サンシェードハット)と通気性の良い長袖を着用する
  • 作業前・作業中(30分毎)・作業後に水分(塩分含む)を補給する
  • 日陰の休憩場所(タープや農機具小屋など)を作業場所の近くに確保する
  • 遮光ネットや日よけを活用して直射日光を遮る
  • 単独作業の場合は家族や近隣農業者と定期的に連絡・確認を取り合う
  • 気温が高い日は早朝(5〜9時)か夕方(16〜18時)に作業を集中させる
ビニールハウス内作業向け対策
  • 作業前にハウス内温度を確認し、45℃超の場合は換気後に入室する
  • 換気扇・サイド開口・天窓を最大限開放して通気を確保する
  • 遮光カーテンや遮光塗料でハウス外部からの輻射熱を遮断する
  • ハウス内作業は連続30分以内とし、必ず外に出て休憩を取る(短時間交代制)
  • 2人以上で作業し、互いの体調変化を監視する
  • ミスト噴霧機・スポットクーラーを導入し、局所冷却を行う

5.WBGTを活用した農作業管理

農作業では同じ日でも作業場所によってWBGTが大きく異なります。露地農場の炎天下、ビニールハウス内、日陰の休憩場所では同時刻でもWBGT差が10℃以上になることがあります。それぞれの環境を把握した作業管理が重要です。

作業場面 想定WBGT 対策
露地作業(直射日光下) 30〜35℃ 作業中断基準。30分毎の休憩と水分補給を必須とする
ビニールハウス内 35℃超 危険域。換気・遮光後も35℃超の場合は作業を中断する
日陰の休憩場所 25〜28℃ 警戒域。水分補給・体温冷却後に次の作業へ
早朝・夕方の露地 21〜25℃ 注意域。熱中症リスクは低いが、水分補給は継続する

農場所在地のWBGT予報を確認

6.heat119で農業の安全を守る

農場のWBGT監視

農場・ハウス内のWBGT値をリアルタイムで確認。危険水準に達したら管理者にアラート通知し、作業者を守ります。

作業者の体調見守り

農作業中の体調を定期的にチェックイン。高齢農業者の体調変化を家族や管理者がスマホで遠隔確認できます。

単独作業の安全確認

定期連絡が途絶えた場合に自動アラートを発報。1人で農作業する高齢者の「発見遅れ」リスクを大幅に低減します。

記録管理

体調確認・WBGT値・対策実施状況を自動記録。農業法人の安全管理義務への対応や、労災申請時の証拠資料として活用できます。

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